分析/観察
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分析/観察

分析事例

におい分析

においとは
嗅覚測定(臭気指数・閾値)
製品の「におい」分析
自動車内装材の臭気分析
スニッフィングGC/MSによる香気成分分析
データベース「Aroma Office (アロマオフィス)」によるにおい分析
ダイナミックヘッドスペースを使ったパンの香気成分分析
香気成分データベースによる鰹節の香気成分分析
スニッフィングGC/MSによる劣化オイルの異臭分析

無機元素分析

医薬品の元素不純物分析(ICH Q3D)
マイクロ波分解ICP-MSによる医薬品中の微量金属分析
シリコーン含有試料中のSi定量分析
鉱石中のZr, Si定量
臭素系難燃剤中の臭素含有量の分析

形態観察

樹脂製多孔質体の形態観察事例①
樹脂製多孔質体の形態観察事例②
透過型電子顕微鏡(TEM)による高分子材料の形態観察
FIBによる試料作製、TEM観察
FIB加工・観察事例(ピラー状試料作製・観察)
無機材料の形態観察、結晶構造解析
半導体デバイスの構造解析
アルミ基材上塗膜の断面観察
イオンミリングを用いた加工、観察例
複合材料の分散状態観察
微小部の断面観察
多結晶太陽電池の構造解析
絶縁体の高分解能観察
凍結レプリカ法を用いた溶液の微細構造観察
蛍光X線分析法による元素の分散状況の観察
ポリマー材料中の改質剤(ゴム)の分散状態評価
ポリ塩化ビニル(PVC)のゲル化評価
リフレクター塗装膜の積層構造分析
SPMによる機械特性分布分析

異物分析

異物分析の流れについて
食品中の異物分析
マニピュレーターによるトナー粒子の採取
FIBを用いたフィルム中の異物分析
透明フィルム中の透明異物の分析

表面分析

XPSによるデプスプロファイル
容器印刷ムラの原因解析
有機EL材料の深さ方向分析
蛍光X線分析法(XRF)による多元素同時測定

組成分析・構造解析

精製タンパク質の分子量測定
ナイロン66樹脂のMALDI-TOFMSによる分析
シリコーン化合物の分解分析 (1)
シリコーン化合物の分解分析 (2)
X線回折法による微小領域測定
樹脂の組成分析
樹脂の添加剤分析
飲料容器の材質分析
塩ビ樹脂中の多価アルコール脂肪酸エステル系滑剤分析
NMR DOSY法
ゲルNMR法
NMR_INADEQUATE
NMR_NUS
2次元NMR法による構造解析
製造条件の異なるフィルムの固体NMR分析
XPSによる試料表面に存在する元素の化学状態評価
Diffusionフィルターを利用したNMR測定
T2フィルター(緩和フィルター)を利用したNMR測定
廃プラスチックの組成分析
モイストウンドヒーリング(湿潤療法)素材の組成分析
ポリオレフィン類の分子量測定
GPC-MALSによる分岐ポリブタジエン解析
SEC-(GPC)-MALSの原理
GPCによるPET樹脂分子量分布測定
加熱脱着装置(ATD)-GC/MSによる定量
LC-MS/MSによる界面活性剤の分析
LC-ELSDによる界面活性剤の分析
自己修復フィルムの分析
電界脱離イオン化(FD)法による分析事例
シランカップリング剤の分析
TG-GC/MS法によるポリマーの分解、燃焼挙動の確認
EGA-MS法およびEGA-GC/MS法を用いたポリマーの熱分解挙動の解析
FD-TOFMSを用いたIrganox1010の分析
LC-MS/MSによる有機窒素化合物の分析
HS-GC/MSによる樹脂中の残存モノマーの分析
イオンクロマトグラフ(IC)による低級アミン類の分析
低分子量環状シロキサンの定量分析
TG-DTAによるカーボンブラックおよびグラファイトの定量
反応熱分解-GC/TOFMSによる液晶ポリマーの熱劣化解析
生分解性ポリマーの組成分析
PVCのスズ系安定剤のアルキル基定性分析

高次構造解析

ポリマーの配向性評価
偏光ラマン法によるPETボトルの配向性評価
X線回折法によるPETボトルの配向性評価
ラマン分光法による包装袋の定性分析

機能性食品・一般食品分析

ワイン中のS化合物の定性分析
プリン体分析
トリグリセリドの定性分析
アミノ酸(グリシン)の定量分析
クロロゲン酸類の定量分析
リコペンの定量分析
還元型・酸化型CoQ10の定量分析
健康茶の分析(香気成分)
健康茶の分析(カフェイン、カテキン及び糖類)
健康茶の分析(無機元素)
糖類の分析
SPME法による水系試料の定量
食用油中のグリシドール脂肪酸エステル含有量の分析
魚油中のEPADHA分析
有機酸の定量分析
お茶に含まれるカテキンの定量分析
ナス中含有成分のイメージング質量分析

VOC放散試験

放散試験(小形チャンバー法)
放散試験(バッグ法)
放散試験(大形チャンバー法)

燃焼・加熱発生ガス分析

燃焼生成ガス分析
マイクロチャンバーを用いたHDDの発生ガス分析
マイクロチャンバーを用いたHDDに付着した成分の分析
加熱発生ガス分析(1)
加熱発生ガス分析(2)
加熱発生する低分子シロキサンガスの定性・定量分析
TG-MS法によるポリマーの分解、燃焼ガスの定性分析

ダイオキシン類・ポリ塩化ビフェニル(PCB)分析

ダイオキシン類の高精度分析
PCB分析
有機顔料中のポリ塩化ビフェニル(PCB)の分析
臭素化ダイオキシン類

環境規制分析(大気・悪臭・水質)

有害大気測定
排ガス測定
排ガス中のシアン化水素分析
悪臭測定
水質分析
次亜塩素酸ナトリウム及び苛性ソーダ中の亜硝酸態窒素の定量分析
排水中直鎖アルキルベンゼンスルホン酸の分析
環境水中直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)の分析
LC-MS/MSによるPFOS分析

作業環境測定

作業環境測定
インジウム化合物作業環境測定
酸化プロピレン作業環境測定
ホルムアルデヒド作業環境測定
エチレンオキシド作業環境測定
病院におけるグルタルアルデヒド、オルトフタルアルデヒドの測定

廃棄物・微量汚染物質分析

産業廃棄物の溶出試験
組成・成分分析

差分分析・多変量解析

多変量解析(共分散解析)を用いた液晶ポリマーの熱劣化解析
多変量解析(主成分分析)を用いた液晶ポリマーの熱劣化解析(1)
多変量解析(主成分分析)を用いた液晶ポリマーの熱劣化解析(2)
LC-TOF/MSによる差分分析

物性評価

DSCによる形状記憶合金の変態点測定
キセノンフラッシュアナライザーによる熱拡散率測定
TMAによるフィルムの線膨張係数測定

各種試験

RoHS
TOX・AOX
尿中代謝物分析

各種分析

MALDI-MSによるイメージング質量分析
ヘキサブロモシクロドデカンの分析
酸化ストレスマーカー(8-OHdG)の定量分析
ポリ塩化ビニルの水分測定
SAICASを用いたゴム系試料の凍結切片法
2,4-ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)誘導体化アルデヒド類の分析

装置紹介

無機元素分析

XRF
蛍光X線分析顕微鏡
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ICP-MS
IC
全自動元素分析装置
AA
水銀測定装置

形態観察・表面分析

FIB
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FE-SEM
SEM
EDX
XPS
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化合物構造解析

SAICAS
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NMR
XRD

クロマトグラフ分析

LC-TOF/MS
GC
GC/MS
HS-GC/MS
P&T-GC/MS
ATD-GC/MS
スニッフィングGC/MS
スニッフィング-GC-TOFMS
GC/TOFMS
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発生ガス濃縮装置(マイクロチャンバー)
Py-GC/MS
HRGC/HRMS
HPLC
LC-MS/MS
GPC
全自動大気濃縮-ガスクロマトグラフ/質量分析装置

熱分析、同複合分析

TG-DTA
TG-MS
DSC
TMA
LFA

水分分析

KF

各種分析

TOC
UV-VIS
亜酸化窒素濃度計

分析機器一覧

医薬品の元素不純物分析(ICH Q3D)

日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)において新医薬品に対する元素不純物ガイドライン(Q3D)が厚生労働省より発表され、2017年4月以降に承認申請される新医薬品(新製剤)が適応対象となりました。ICH Q3Dでは表1の元素が評価対象となり、元素毎にPDE値※1が設定されています。分析においては管理閾値(PDE値の30%)を精度良く分析する事が求められており、確かな前処理技術と、ICP/MSによる精度の高い微量金属分析技術が要求されます。 ICP/MS装置 Agilent7900

図1 ICP/MS装置 Agilent7900

※1)PDE値(μg/day);1日に許容される摂取限度値

表1 ICH Q3D評価対象元素

クラス 元素 リスクアセスメントの有無
1 As、Cd、Hg、Pb 必要
2A Co、Ni、V 必要
2B Ag、Au、Tl、Pd、Pt、Ir、Os、Rh、Ru、Se 意図的に添加した場合に評価要
3 Sb、Ba、Li、Cr、Cu、Sn、Mo 注射剤、吸入剤で評価要

バリデーション計画

ICH Q3Dで評価が必須であるクラス1、クラス2AのAs、Cd、Hg、Pb、Co、V、Niの7元素について、市販の経口製剤を用い、マイクロウェーブ分解-ICP/MS法(装置写真図1、2)により、USP<233>に準拠したバリデーションを実施しました。PDE値より、製剤の1日最大摂取量を10gとして換算し、評価対象元素の濃度限度値Jを算出しました。各元素のJの値を表2に示します。 マイクロウェーブ分解装置 Discover SP-D80

図2 マイクロウェーブ分解装置
Discover SP-D80

J (μg/g)= PDE(μg/day)/1日の最大摂取量(g/day)

表2 クラス1・2A濃度限度値J(μg/g)

元素 As Cd Hg Pb Co V Ni
J 1.5 0.5 3 0.5 5 10 20

濃度限度値の1/10を目標定量下限として、9項目のバリデーションを実施しました。バリデーション計画を表3に示します。

表3-1 バリデーション計画

項目 評価方法
真度 0.1J~1.5Jの範囲で添加試料(n=3)を調製し、添加回収率を求める。
判定基準:添加回収率が70〜120%
併行精度 1Jの添加試料(n=6)を調製し、相対標準偏差を求める。
判定基準:相対標準偏差が20%以下
室内再現精度 試験日時を変更し、1Jの添加試料(2日間 n=12)を調製し、相対標準偏差を求める。
判定基準:相対標準偏差が20%以下
特異性 1Jの添加試料(n=3)にナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウムを100ppm加えた時の回収率を求める。
判定基準:添加回収率が70-120%
直線性 6水準以上の標準液での回帰直線の相関係数を求める。
判定基準:相関係数が0.999以上
定量下限 操作ブランク10回繰返して測定し、標準偏差(σ)より定量下限値を求める。定量下限=10σ/検量線の傾き
判定基準:0.1J以下
範囲 直線性、真度、精度及び定量下限が保証された範囲内であること。
判定基準:0.1J~1.5Jの範囲
システム適合性 0.1Jの標準溶液を6回繰返して測定し、相対標準偏差を求める。
判定基準:相対標準偏差が3%以下
溶液の安定性 1Jの添加試料調製 48時間後と1Jの標準溶液との残存率を求める。
判定基準:残存率が80〜120%

バリデーション計画

バリデーション9項目の結果を表4および表5に示します。全ての項目において良好な結果が得られました。

表4 真度・併行精度・室内再現精度・特異性

元素 真度 併行精度 室内再現精度 特異性
添加回収率(%) RSD(%) RSD(%) 回収率(%)
0.1J添加 0.5J添加 1J添加 1.5J添加 1J添加 1J添加 1J添加
Cd 110 102 103 103 0.4 1.4 103
Pb 108 100 101 103 0.6 1.1 103
As 108 100 98 97 2.1 3.6 94
Hg 112 107 107 107 0.3 2.6 106
Co 95 89 90 91 0.6 1.3 91
V 104 97 97 97 0.7 0.6 96
Ni 92 88 89 91 0.5 1.1 91
判定基準 70〜120 ≦20 ≦20 70〜120

表5 直線性・定量下限・範囲・システム適合性・溶液の安定性

元素 直線性 定量下限 範囲 システム適合性 溶液の安定性
相関係数 (μg/g) (%) RSD(%) 残存率(%)
Cd 0.9999 0.01J以下 0.1J〜1.5J 0.7 108
Pb 0.9999 0.01J以下 0.1J〜1.5J 0.4 109
As 0.9999 0.01J以下 0.1J〜1.5J 0.6 104
Hg 1.0000 0.01J以下 0.1J〜1.5J 0.3 103
Co 0.9999 0.02J 0.1J〜1.5J 0.4 91
V 0.9999 0.02J 0.1J〜1.5J 0.4 102
Ni 0.9999 0.01J 0.1J〜1.5J 0.4 92
判定基準 0.999以上 0.1J以下 0.1J〜1.5J ≦3 80〜120

まとめ

GMP※2に要求される品質管理体制の元、ICP/MSによる医薬品(原薬、中間体、製剤)の元素不純物分析を実施します。本分析においては、医薬品毎に成分が異なるため、適切な前処理方法の選定と、内部標準の選択等によるICP/MSの最適条件化が鍵となります。確かな分析技術で最適分析条件を見つけ分析を実施します。
各医薬品のバリデーション試験や、一斉スクリーニング分析(Li~U 70元素)、ICP/AES法による分析も実施しますので、御相談ください。

※2)GMP(Good Manufacturing Practice): 医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準

用いる分析装置:ICP-MS

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